秘密の出産をするはずが、エリート外科医に赤ちゃんごと包み愛されています
「杏奈」
ゾクゾクするほどの艶っぽい声に胸の奥底が激しく疼く。
ねっとりと絡みつくような濃厚なキスに、まだほんの少しだけ残っていた理性が奪われていった。
やがて首筋へと唇が這わされると、これまでに感じたことのない快感がこみ上げた。
ビクビクと無意識に身体が反応し、自分の身体が自分のものではないような感覚に陥る。
ふわり、彼の柔らかい髪が顎に触れた瞬間、甘い香りが漂ってきて、さらに鼓動が跳ね上がった。
「み、つい、せんせ……っ」
「宏太でいい」
私の反応を愉しむかのように三井先生は唇を移動させ、吸う力を強める。
「だ、だめ、ですっ」
思わず身じろぎ、胸を押し返す。
だが彼はピクリとも動かず、逆にその手を取られシーツへと押しつけられた。
「杏奈は首筋が弱いのか」
「んっ……ぁ」
激しく攻め立てられ小さな吐息が漏れる。
や、やだ、恥ずかしい。
私だけがこんなにも乱されて余裕がなくなっているだなんて。
「声、我慢しなくていい」
必死に歯を食いしばっても三井先生の愛撫には敵うはずもなく、私はただ快感に身をまかせた。