秘密の出産をするはずが、エリート外科医に赤ちゃんごと包み愛されています
いつの間にか照明が落ちて薄暗くなった室内に、甘く濡れた私の吐息だけが響いていた。
彼の首元にそっと伸ばした自分の腕が震えていることに気づく。
「まだ緊張しているのか?」
「い、いえ……」
未だにこうしているのが信じられないだけ。触れていても幻なのではないかと疑ってしまう。
「もっと楽にして俺に全部委ねて」
服の間、背中に滑り込んできた三井先生の手が器用にブラのホックを外す。
「……っ!」
胸に伸びてきた手に身体が勝手に反応する。
それを見た彼が唇の端を持ち上げた。
ひんやりと冷たかったシーツに熱がこもり、全身が汗ばんでいく。
恥ずかしくてたまらず、彼の首元にギュッと抱きついた。
もうどうなってもいい。
このまま彼に抱かれたい。
たった一夜限りのことだとしてもかまわない。
今だけ甘い夢を見させて。