秘密の出産をするはずが、エリート外科医に赤ちゃんごと包み愛されています

今日は夕方からの勤務なので時間にはまだ余裕があった。一度帰宅してからシャワーを浴びて寝る時間も十分だ。

都心から電車で十分ほど、ひとり暮らし用の賃貸ワンルームに住んでいる。

ワンルームといっても中は広く、カウンターキッチンが備わっていて料理をするスペースやベッドを置く場所はもちろん、セパレートタイプで脱衣場まで完備されている優良物件だ。

就職した時からずっとここに住んでいるので、ここに帰ってくるとものすごくホッとさせられる。

だけど今日はどうしてだろう。

まるで魔法が解けたあとのシンデレラのような、なんとも言えないもの悲しい気持ちだ。

きれいさっぱりなかったことにすると決めたのに、そうしようと思えば思うほど昨夜の情事が蘇り、身体の中心が熱く疼く。

うじうじしてても仕方がないので、切り替えるために無心でシャワーを浴びて眠りに就いた。

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