君の想い、受け止めるよ
「スーパー戻って、悠が持ってるトマト買おう」

黙っていた俺を、悠は俺が持っていたトマトを取って、スーパーに戻った。

俺は健斗に返事をして、現実に戻ろうと自分の胸に手を当てる。

買い物から戻ってから、二人で鍋を作った。

健斗が具材を切り、俺は鍋の中に入れた。

10分程したら鍋ができ、さっぱりした醤油味が出来上がった。

「美味しそうだな」

俺は健斗にそう言ってから、箸を持ち、鍋の中から具材を小皿にのせていく。

「上手くできたね。当たり前か。すぐ簡単にできるもんね」

「前は具材がイマイチだったな。フルーツだけだったし」

小皿にのせたものを俺は口をフーフーして、食べ始めた。

「結構前でしょ。僕が高校入った時だったし、僕の家で親と妹がいないから、僕と悠だけだったから作ったんだよ」

健斗は鍋の具材をかき混ぜて、肉、野菜等を俺にわけていた。

「そうだったな」

「そんな酷かったかな」

「フルーツばかり入れて、野菜とかは入れなかったからな。今でも思い出すわ」

俺は目元にシワを寄せて、笑った。
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