ずっと、離したくないな



「本当だ。起きてる」



席を交換してもらえるかもしれないという気持ちで顔を上げて前を見ると先生と目があった。

本当だって確かにいつもは寝てるけど見るまで信じてもらえてなかったわけだ。


「席、変わりますね」



藍がこっちをみて目線で会話してくる。たぶん立てってことだと思う。頷くことも億劫でゆっくり立ち上がる。


ゆっくり、とゆうか普通に立ってみたら動きが遅くなってしまっただけだど。両手を机について立ち上がる。藍がこっちにきているのがわかった。


ちゃんと立ったと思った瞬間に力が抜けてガタンと音を立てて椅子に座り込んでしまった。


これは、やばい。

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