グレーとクロの世界で
「私を、助けて…っ。」
きっと、これが私の心の叫びだった
「私を、ひとりにしないで…。」
本田くんの瞳は私を一瞬たりとも逃さない
その瞳は優しさと強さに満ち溢れ、私に安心感を与えた
「はい、わかりました。真鍋さんは、俺たちが必ず助けます。」
この言葉を信じよう
もう、私にはそれしかないと思った
このまま闇の中で生き続けることも出来る
でも、それじゃあ何も変わらないでしょ?
夜月にかける
それに、夜月なら、本当にお父さんを殺した犯人を見つけてくれる気がした
私たちを見守る太陽は、もうすぐ沈む
また、闇が私を包むの
でも、私は誰の目にも映らない存在にはならない
これからは本田くんが私を見てくれる
「ありがとう。」
そういった私は、安心感に包まれ、だるさの残る体は睡眠を求めていた
話して安心したのか、一人じゃないことに安心したのかは分からない
でもたぶん、両方かな?
「眠っていいですよ。俺がついてますから。」
誰かがそばに居る
そう思うだけで、こんなにも暖かい
寂しいだなんて1ミリも思わなかった
眠りに落ちる瞬間、心の底から幸せを感じた気がした…