グレーとクロの世界で
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それから俺は授業をサボり続け、昼休みに教室に戻るとまだ彼女の姿はなかった
「碧、真鍋さんは?」
「俺もサボってたからわかんねぇな。」
「あの、夏音だったらさっきまた出てったよ。4時間目は戻ってきたんだけど。」
「ありがとうございます。」
くそ、行き違いか?
三澤が言ってた通りならあの体で授業出たのか?
ちょっと寝たからと言ってすぐ良くなるような熱の高さじゃなかっただろ
俺はまた彼女を探しに教室から出た
昼休み時間保健室から第4音楽室、空き教室など行きそうなところは探したが、彼女はどこにもいない
どこいった?
あとは屋上しか残ってない
ないだろうと思ったが、案の定彼女はそこにいた
いくら雨が上がったからと言って屋上に行くとは思いもしなかった
所々雨で濡れた地面はあるが、意外と乾いている
だが、どう考えても体調崩しているやつが寝る場所じゃない
肌を掠める風はまだ冷たい
彼女に近づくと、保健室の時と同様眠っていた
俺は起こさないように彼女に俺のブレザーを掛け、第4音楽室に運んだ
抱き上げたとき、彼女が俺に擦り寄ってきたのは、寒かったからだということにしておこう
体温は相変わらず高く、本当はすぐにでも病院に連れていきたいくらいだ
俺は彼女を一人で帰らせる訳にはいかないと思い、電話をかけた
『はい、福嶋でございます。』
「俺だ。放課後の迎え車で頼めるか?」
『かしこまりました。お時間は?』
「その時になったら連絡入れる。」
『ではご連絡よろしくお願い致します。』
「あぁ、頼んだ。」
たった数回のやり取りで電話を終えた
それから彼女が起きるのを待ち、夕方を迎えた