今夜も抱きしめていいだろ?
コーヒーを前に華奢なテーブルをはさんで向かい合った。

「温子さん、今日はありがとうございます。これを受け取ってもらえませんか?」

純一はしゃべる間もなくプレゼントをそっと差し出した。

「あら。」

飲んでいたコーヒーカップを置いて

温子は興味津々の態だ。

「何かしら?」

「気に入ってもらえるかどうか。」

ごにょごにょと言葉を濁す純一から包みを受け取った。

「開けてもいいかしら?」

「はい。」

リボンやテープをきれいに外してケースを開いた。

プラチナのチェーンに薄紫色のサファイアのヘッドがついたネックレスだ。

「素敵。今つけてもいいかしら?」

「はい、ぜひ。」

純一は温子のその言葉に酔いしれた。

ベージュ系の落ち着いたデザインのブラウスに

ライトブルーのニットのアンサンブルを着た彼女が

ネックレスを首にかけた。

「どう?似合うかしら?」

「はい、お似合いです。」

「ありがとう。とっても気に入ったわ。」

「良かったです。」

彼女の嬉しそうな笑顔を見てホッと胸をなでおろした。

さて、

これからが正念場だ。

次回のデートを約束できるかどうかで

この先の命運が決まる。

何を話したらいいのか。

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