今夜も抱きしめていいだろ?
純一はソファのあるメインルームへ行き
ボトルやグラスで散らかったテーブルをなるべく静かに片付けた。
時計を見るとまだ朝の6時だ。
深夜3時頃まで二人で飲んだくれていたはずだ。
ほんの3時間くらいしか寝ていないことになるが
純一はなんだか気分がスッキリとしていた。
じっくりと熱いシャワーを浴びたせいかもしれない。
もしくは温子と長い時間話すことで
気持ちの平穏を持てたからかもしれない。
早川コーポレーションの系列ホテルは都内に数ヶ所あった。
どこも朝食はビュッフェスタイルだとわかっていたから
サンドイッチ程度の軽食でいいと思い
8時頃運ぶようルームサービスをオーダーした。
なぜなら、
階下のビュッフェで万が一にも兄たちと鉢合わせしようものなら
何を言われるか何をされるかわからないからだ。
たいてい週末はどこかのホテルで女友達と過ごしているだろう二人の兄に
この状況を絶対に知られてはならない、今は。
それは純一の自分の我がままだからではなく
温子にもなにかしらの迷惑をかけることになると思うからだ。
温子を好きになることと
温子を守ることは大きな違いがある。
好きになることは純一の勝手であって
守るということはまったく次元の異なる責任を持つことになる。
いくらのんびり屋で鈍い純一にもそれくらいの考えはわかっていた。
温子との付き合いは時間をかけて大切にしたいと思っていたし
そう思う自分が例え何かで傷ついたとしても覚悟はしていた。
元々すべてが自分の思う通りに進まない早川一族の中で生きてきて
純一は兄たちの言動が身にしみていた。
将来大おばあ様に盾つくようなことになったとしても
温子に何かあってはならない。
温子への想いを募らせていくにつれて
その覚悟を強いものにしていくことこそが
これからの自分にとって一番重要だと純一は心に決めていた。
ボトルやグラスで散らかったテーブルをなるべく静かに片付けた。
時計を見るとまだ朝の6時だ。
深夜3時頃まで二人で飲んだくれていたはずだ。
ほんの3時間くらいしか寝ていないことになるが
純一はなんだか気分がスッキリとしていた。
じっくりと熱いシャワーを浴びたせいかもしれない。
もしくは温子と長い時間話すことで
気持ちの平穏を持てたからかもしれない。
早川コーポレーションの系列ホテルは都内に数ヶ所あった。
どこも朝食はビュッフェスタイルだとわかっていたから
サンドイッチ程度の軽食でいいと思い
8時頃運ぶようルームサービスをオーダーした。
なぜなら、
階下のビュッフェで万が一にも兄たちと鉢合わせしようものなら
何を言われるか何をされるかわからないからだ。
たいてい週末はどこかのホテルで女友達と過ごしているだろう二人の兄に
この状況を絶対に知られてはならない、今は。
それは純一の自分の我がままだからではなく
温子にもなにかしらの迷惑をかけることになると思うからだ。
温子を好きになることと
温子を守ることは大きな違いがある。
好きになることは純一の勝手であって
守るということはまったく次元の異なる責任を持つことになる。
いくらのんびり屋で鈍い純一にもそれくらいの考えはわかっていた。
温子との付き合いは時間をかけて大切にしたいと思っていたし
そう思う自分が例え何かで傷ついたとしても覚悟はしていた。
元々すべてが自分の思う通りに進まない早川一族の中で生きてきて
純一は兄たちの言動が身にしみていた。
将来大おばあ様に盾つくようなことになったとしても
温子に何かあってはならない。
温子への想いを募らせていくにつれて
その覚悟を強いものにしていくことこそが
これからの自分にとって一番重要だと純一は心に決めていた。