今夜も抱きしめていいだろ?
良一はソファに寝そべり

すべてに論外な温子のことは頭から消し去って

今夜の相手を誰にするかじっくり考えた。

今夜といっても深夜から翌朝までの数時間だ。

ひと声かけて誰が応じるかはわからない。

誰かしらは空いているだろうくらいで調度いい。

通年祝日の前後はいつも同じホテルを予約していた。

会う相手はいつも違うが。

昨夜から今朝にかけては美脚自慢の美代子を堪能した。

プレゼントはリクエストの高級ストッキングで充分だから

かなり楽な相手だ。

彼女自身もそういう付き合いだけで割り切っていた。

その点が俺には都合がよかった。

グダグダ言う女ははなから相手にしない。

軽く付き合える程度なら申し分ない。

もちろん食事だけの仲でもいい。

俺は空いた時間を女で埋めるのに不自由はなかった。

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