消えないキモチ
【思い出】



彼と同じクラスになったのは中学2年の時。格好良くて目立つ彼は、私からしたら遠くから見るだけの人だった。

5月の運動会でのクラス対抗徒競走で、足が遅い私は半周以上も後れを取って、クラス中からバッシングを受けてしまう。それを彼は「くだらねえ、そんな事で足が速くなるなら苦労しねえよな」と言い返して、私を守ってくれた。その正論に謝ってくれる子もいて、本当に助かった。
以来彼の事が気になっていた、夏休み前には好きだと自覚した。それでもずっと思いは伝えられずにいて、高校も別々のところへ進み、全く逢えなくなった。

彼に恋した心は、尻切れトンボのまま、いつまでもここにあった。

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