すきな人は…お兄ちゃん
あたしが検温してる間、お兄ちゃんはまた勉強始めようとしたのに
「結愛、アイス食べるか?」
って、お兄ちゃんのとっても優しい声。
お兄ちゃんが大好きで、お兄ちゃんの指が大好きで、ついボーッとシャーペン持ってる指を見つめてたから、声かけられたことに気づいてなくて
「…結愛?」
もう一度呼ばれて、ハッと気づいてお兄ちゃんと目が合ってドキッとする
「 顔赤ぇな、やっぱまだ熱あるか」
あたしのそばに来て、不意にほっぺたに手を当てて
「あっちーなぁ…可哀想に」
…びっくりしたぁ…そんなことしたらますます熱上がっちゃうよぉ、お兄ちゃん
「アイス食べる?」
「…うん」
「待ってろ、取ってくるからな」
頭ポンポンして、降りてった
「ふう、ぅ…」
お兄ちゃんがいてくれるのはすごく嬉しいけど、ドキドキしちゃってあたしもう…だめだぁ…
お兄ちゃんが部屋に戻ったらちょうど、体温計がピピッて鳴る
「結愛」
お兄ちゃんが、体温計ちょうだい、って手を伸ばす
「…ん、っ」
熱で身体中が痛くて、脇からやっと体温計抜いて渡した
「まだ38度か…頭痛くねぇ?あちこち痛いだろ」
「…そんなにあるの?…だから腰痛いのかな」
「だろうなぁ、さすってやるよ」
少しラクになるかな、って言いながら、
「結愛、腰どのへん?」
パジャマの上からだけど、さすろうとしてくれてる
「きゃ、ッ」
お兄ちゃんの大っきな手が腰に触れて、変な声出ちゃった…
「ごめん、そんな痛てぇか、結愛ごめんな」
お兄ちゃんは強くさすったのと勘違いして、そーっと触ってる
「こんなら大丈夫か?」
「うん、ありがと」
大好きなお兄ちゃんの手が、あたしの腰と背中をそーっと、優しく触ってくれてる
けど…お兄ちゃんの手が動くたびに、ゾクッてしちゃう
お腹の奥の方がきゅん、ってなって
ドキドキしてきて
どうしたらいいかわかんなくなって、毛布をぎゅっと握った
「結愛?だいじょぶか?」
「…うん」
お兄ちゃんはすぐ、あたしの変化に気がつくの
ひた隠しにしてるあたしの気持ちには…お願い、気づかないでお兄ちゃん
「…マジだいじょぶか?湿布貼ってやろーか?」
あたし、無意識に目をぎゅってつぶってたみたいで、お兄ちゃんがすごく心配そうに、あたしの顔を覗き込んでるのに気づいて
「きゃっ!」
びっくりして、またちょっと叫んじゃった…
「どした?結愛、いつもと違うぞ、熱のせいだけか?」
腰さすりながら、お兄ちゃんはあたしの大好きな、眉ピクってする
「…わかんない、熱いの」
ウソじゃない
体温高いから熱いし、お兄ちゃんがさすってくれてるから余計に熱いのはほんとだもん
ほんとに熱くて…目が潤んでくる
「んー、とりあえず湿布貼るか、取ってくるから待ってろ」
「うん…ありがと」
お兄ちゃんが湿布を取りに階段降りてく音がする
ふぅ…お兄ちゃんの手の感触、まだしっかり腰に残ってて、ドキドキしてる
これってきっと…恋、っていうのなんだよね
それとも、恋に憧れてるってこと?
どっちにしても、お兄ちゃんに恋してる、なんてことバレたら…
熱があるのにそんなこと考えてたら、頭の中カーッと熱くなってきて、涙出てきちゃった
「…は?結愛?どした?!」
手に湿布持って、お兄ちゃんが驚いてる
「泣くほど痛てぇのかよ、可哀想に結愛…貼ってやるから、ちょっと下ろすぞ」
グズグズしてたらパジャマ少しめくられた
「冷めてーけど、ガマンしろよ」
お兄ちゃんの手であっためてくれたみたいだけど、湿布冷たいよっ!!
「ひゃあっ!冷たッ!!」
「ごめん結愛、ガマン」
「やだやだ冷たいもんっ」
「…ゆーあ」
…え、お兄ちゃん、すっっごく優しい声で呼んで
湿布してパジャマ直してくれて、毛布かけてくれてから、優しく抱きしめてくれてる…?
「結愛、いーこ、オレの大事な結愛」
耳元で、お兄ちゃんのとっても優しい声
「結愛はいつも、このおまじないで泣き止んだんだよな、ちっちゃいときからいっつも」
「…お兄ちゃん」
「覚えてるか?結愛」
そういえば…パパとママが仕事で帰りが遅くて、雷が鳴ったときのこと思い出した
大きな雷ですっごく怖くて、慌ててお風呂から出てお兄ちゃんっ!!て叫んだら、お兄ちゃんすぐ来てくれて、パジャマ着る余裕なんてなくて、バスタオルだけ巻いてお兄ちゃんに抱きついたっけ…
そのときもお兄ちゃんは、さっきのおまじないを耳元でそっと言ってくれた
バスタオル1枚のあたしを、優しく抱きしめてくれて、背中さすってくれて…
けどその後、髪濡れてたら風邪引くぞ、って乾かしてくれたの
もちろん、すぐにパジャマ着た
風邪引いちゃうし、恥ずかしいもん…
雷に驚きすぎて、それどこじゃなかったんだけど
「結愛はほんと…お兄ちゃんっ子だな」
そんなに顔近づけて言わないで…
もうっ…キスされちゃうかと思うくらいに近くて、また熱上がりそうだよぉ…
「結愛、アイス食べるか?」
って、お兄ちゃんのとっても優しい声。
お兄ちゃんが大好きで、お兄ちゃんの指が大好きで、ついボーッとシャーペン持ってる指を見つめてたから、声かけられたことに気づいてなくて
「…結愛?」
もう一度呼ばれて、ハッと気づいてお兄ちゃんと目が合ってドキッとする
「 顔赤ぇな、やっぱまだ熱あるか」
あたしのそばに来て、不意にほっぺたに手を当てて
「あっちーなぁ…可哀想に」
…びっくりしたぁ…そんなことしたらますます熱上がっちゃうよぉ、お兄ちゃん
「アイス食べる?」
「…うん」
「待ってろ、取ってくるからな」
頭ポンポンして、降りてった
「ふう、ぅ…」
お兄ちゃんがいてくれるのはすごく嬉しいけど、ドキドキしちゃってあたしもう…だめだぁ…
お兄ちゃんが部屋に戻ったらちょうど、体温計がピピッて鳴る
「結愛」
お兄ちゃんが、体温計ちょうだい、って手を伸ばす
「…ん、っ」
熱で身体中が痛くて、脇からやっと体温計抜いて渡した
「まだ38度か…頭痛くねぇ?あちこち痛いだろ」
「…そんなにあるの?…だから腰痛いのかな」
「だろうなぁ、さすってやるよ」
少しラクになるかな、って言いながら、
「結愛、腰どのへん?」
パジャマの上からだけど、さすろうとしてくれてる
「きゃ、ッ」
お兄ちゃんの大っきな手が腰に触れて、変な声出ちゃった…
「ごめん、そんな痛てぇか、結愛ごめんな」
お兄ちゃんは強くさすったのと勘違いして、そーっと触ってる
「こんなら大丈夫か?」
「うん、ありがと」
大好きなお兄ちゃんの手が、あたしの腰と背中をそーっと、優しく触ってくれてる
けど…お兄ちゃんの手が動くたびに、ゾクッてしちゃう
お腹の奥の方がきゅん、ってなって
ドキドキしてきて
どうしたらいいかわかんなくなって、毛布をぎゅっと握った
「結愛?だいじょぶか?」
「…うん」
お兄ちゃんはすぐ、あたしの変化に気がつくの
ひた隠しにしてるあたしの気持ちには…お願い、気づかないでお兄ちゃん
「…マジだいじょぶか?湿布貼ってやろーか?」
あたし、無意識に目をぎゅってつぶってたみたいで、お兄ちゃんがすごく心配そうに、あたしの顔を覗き込んでるのに気づいて
「きゃっ!」
びっくりして、またちょっと叫んじゃった…
「どした?結愛、いつもと違うぞ、熱のせいだけか?」
腰さすりながら、お兄ちゃんはあたしの大好きな、眉ピクってする
「…わかんない、熱いの」
ウソじゃない
体温高いから熱いし、お兄ちゃんがさすってくれてるから余計に熱いのはほんとだもん
ほんとに熱くて…目が潤んでくる
「んー、とりあえず湿布貼るか、取ってくるから待ってろ」
「うん…ありがと」
お兄ちゃんが湿布を取りに階段降りてく音がする
ふぅ…お兄ちゃんの手の感触、まだしっかり腰に残ってて、ドキドキしてる
これってきっと…恋、っていうのなんだよね
それとも、恋に憧れてるってこと?
どっちにしても、お兄ちゃんに恋してる、なんてことバレたら…
熱があるのにそんなこと考えてたら、頭の中カーッと熱くなってきて、涙出てきちゃった
「…は?結愛?どした?!」
手に湿布持って、お兄ちゃんが驚いてる
「泣くほど痛てぇのかよ、可哀想に結愛…貼ってやるから、ちょっと下ろすぞ」
グズグズしてたらパジャマ少しめくられた
「冷めてーけど、ガマンしろよ」
お兄ちゃんの手であっためてくれたみたいだけど、湿布冷たいよっ!!
「ひゃあっ!冷たッ!!」
「ごめん結愛、ガマン」
「やだやだ冷たいもんっ」
「…ゆーあ」
…え、お兄ちゃん、すっっごく優しい声で呼んで
湿布してパジャマ直してくれて、毛布かけてくれてから、優しく抱きしめてくれてる…?
「結愛、いーこ、オレの大事な結愛」
耳元で、お兄ちゃんのとっても優しい声
「結愛はいつも、このおまじないで泣き止んだんだよな、ちっちゃいときからいっつも」
「…お兄ちゃん」
「覚えてるか?結愛」
そういえば…パパとママが仕事で帰りが遅くて、雷が鳴ったときのこと思い出した
大きな雷ですっごく怖くて、慌ててお風呂から出てお兄ちゃんっ!!て叫んだら、お兄ちゃんすぐ来てくれて、パジャマ着る余裕なんてなくて、バスタオルだけ巻いてお兄ちゃんに抱きついたっけ…
そのときもお兄ちゃんは、さっきのおまじないを耳元でそっと言ってくれた
バスタオル1枚のあたしを、優しく抱きしめてくれて、背中さすってくれて…
けどその後、髪濡れてたら風邪引くぞ、って乾かしてくれたの
もちろん、すぐにパジャマ着た
風邪引いちゃうし、恥ずかしいもん…
雷に驚きすぎて、それどこじゃなかったんだけど
「結愛はほんと…お兄ちゃんっ子だな」
そんなに顔近づけて言わないで…
もうっ…キスされちゃうかと思うくらいに近くて、また熱上がりそうだよぉ…