君を名前で呼びたくて
「ねこ先生さ、こういう所でねこ先生って
呼ばれるの恥ずかしくない?」
「それは…… 」
恥ずかしいけど、中橋さんは私が入社した時からなぜか私のことだけねこ先生って呼ぶから……
他の教務の人は、谷口さんとか大野さんとか呼ぶのに。
「俺の今の目標は、所長になることじゃ
なくて、ねこ先生を名前で呼ぶこと
だから」
「???
そんなの、目標にしなくてもいつでも
呼んでいいですよ?」
なんで? 変なの。
「ほんと?
じゃあ、会社を出たら、莉里って呼んで
いい?」
「っ!!」
名前って、下の名前!?
「え…と、あの、名前って、
間宮じゃなくて?」
「別に間宮さんって呼びたいわけじゃ
ないよ。
俺は、ねこ先生を莉里って呼べる男に
なりたいんだ」
えっと、それって、つまり…… ???
「莉里」
どうしよう。
胸がドキドキしてどうしていいか分かんない。
「莉里、明後日の土曜日、デートしよ」
あまりのことに固まってしまった私は、返事も出来ない。
「ダメ?」
そう問われて、私はようやく首を横に振った。
「良かった。
じゃあ、莉里、ケーキ食べよう?」
中橋さんは、タイミングよく店員さんが運んできたケーキを見てそう言った。
だけど、中橋さんおすすめのこのケーキ、全然味がしない。
でも、中橋さんは、とっても優しい笑顔で満足そうにケーキを頬張ってたから、それだけで、なんだかお腹いっぱいに思えてくる。
どうしよう!?
びっくりしすぎて何も考えられなかったけど、つまりこれって、どういうこと?
私、もしかして、片思いじゃなくなったの?
でも、はっきり「好き」って言われたわけじゃないし……
幸せに胸をきゅんとさせながら、でもなんとなくモヤモヤした感じもして、でも、そんなこと中橋さんには聞けなくて……
私、自惚れてもいいの?
ちゃんと聞くのがこんなに怖いなんて……
私をこんなに怖がらせる中橋さんって、みんなが言う通り、やっぱりバケモノなのかな?
─── Fin. ───
レビュー
かんたん感想
感想ノート
いつも楽しみにしています。
ひとこと残していただけると嬉しいです。
呼ばれるの恥ずかしくない?」
「それは…… 」
恥ずかしいけど、中橋さんは私が入社した時からなぜか私のことだけねこ先生って呼ぶから……
他の教務の人は、谷口さんとか大野さんとか呼ぶのに。
「俺の今の目標は、所長になることじゃ
なくて、ねこ先生を名前で呼ぶこと
だから」
「???
そんなの、目標にしなくてもいつでも
呼んでいいですよ?」
なんで? 変なの。
「ほんと?
じゃあ、会社を出たら、莉里って呼んで
いい?」
「っ!!」
名前って、下の名前!?
「え…と、あの、名前って、
間宮じゃなくて?」
「別に間宮さんって呼びたいわけじゃ
ないよ。
俺は、ねこ先生を莉里って呼べる男に
なりたいんだ」
えっと、それって、つまり…… ???
「莉里」
どうしよう。
胸がドキドキしてどうしていいか分かんない。
「莉里、明後日の土曜日、デートしよ」
あまりのことに固まってしまった私は、返事も出来ない。
「ダメ?」
そう問われて、私はようやく首を横に振った。
「良かった。
じゃあ、莉里、ケーキ食べよう?」
中橋さんは、タイミングよく店員さんが運んできたケーキを見てそう言った。
だけど、中橋さんおすすめのこのケーキ、全然味がしない。
でも、中橋さんは、とっても優しい笑顔で満足そうにケーキを頬張ってたから、それだけで、なんだかお腹いっぱいに思えてくる。
どうしよう!?
びっくりしすぎて何も考えられなかったけど、つまりこれって、どういうこと?
私、もしかして、片思いじゃなくなったの?
でも、はっきり「好き」って言われたわけじゃないし……
幸せに胸をきゅんとさせながら、でもなんとなくモヤモヤした感じもして、でも、そんなこと中橋さんには聞けなくて……
私、自惚れてもいいの?
ちゃんと聞くのがこんなに怖いなんて……
私をこんなに怖がらせる中橋さんって、みんなが言う通り、やっぱりバケモノなのかな?
─── Fin. ───
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