君の専属被写体モデル。




時間って、こんなにあっという間に過ぎるものなんだ。


こういう風に思ったのは久しぶりで、不思議な感覚。


私たちは、写真を撮り終えた後、近くのファミレスで夕飯を食べることにした。

最初は、今日撮った写真を1枚1枚、見返していた。


どの写真にも、私が被写体として写っている。

まるで、私が私じゃないみたい。


いつもは、部屋に引きこもって眺めていただけの写真。

憧れの葵ちゃんの写真の中に私が写っている。


それだけで、私は幸せを感じた。

葵ちゃんが撮ってくれた写真は、私を輝かせてくれた。


場面ごとに、服を着替えたりして撮ったから、印象が全く違う写真もある。

撮る人によって、その場面、その時の感情によって、写真って動き出すんだ。


そう思うと、興味深くて、もっと知りたくて。




私も葵ちゃんみたいになりたいと思った。



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