君の専属被写体モデル。



「私も、ニセモノなの。色んな写真を撮って、素敵だねって褒められるけど、
それは全然素敵じゃない。だって、ニセモノの私が撮った写真は、ニセモノでしかないもん!」



帰る。ごめんね。



そう言って、葵ちゃんは千円札を1枚置き、お店のドアを押して出て行った。



私は、追いかけることも、何も出来なかった。


ただ、分かるのは、葵ちゃんの闇の部分に触れたこと。




葵ちゃんは……あの夜道をひとりで帰るのかな。






そう思うと、胸が締め付けられた。




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