君の専属被写体モデル。



今日、目の前には葵ちゃんがいてくれた。


それは、私にとっての幸せだった。

憧れの人が目の前に居る。

確かにその思いもあったけれど、それ以上に。


友達が出来たのかな。


って、思った。


引きこもっていた私を外へ連れ出してくれて、私の知らない世界を教えてくれた。

カメラを持った葵ちゃんは真剣な目をしていた。

撮った写真をチェックしていた葵ちゃんは、嬉しそうだった。

ポーズを悩んでいる私に「自然体で!」と言ってくれた。


そんな葵ちゃんの前だから、私は笑顔になれた。


変わりたいと、思った。

引きこもっているより、楽しい世界がある。



そう教えてくれたのは、葵ちゃんなのに。



今、目の前には、誰も居ない。



葵ちゃん。

今日、私は幸せだったんだよ。


だけど、また、独りぼっちだよ……。


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