君の専属被写体モデル。



帰宅すると、私は葵ちゃんにメールをした。


『今日はありがとう』


悩んだ結果、その言葉しか出てこなかった。


今の私が、何を言ったって、葵ちゃんには何も届かない。

そう思ったから。



メールの返信に気がついたのは、翌朝だった。


『今日、会える?』


どういたしまして、ではなく、『会える?』の文字。


もう一度、葵ちゃんと話したいと思った。

私の興奮状態に、葵ちゃんが涙を流した理由。



ちゃんと、聞きたかった。



< 27 / 36 >

この作品をシェア

pagetop