君の専属被写体モデル。



高校①。


中学2年生の夏休みから猛勉強を始めたからか。

高校入学テストでは、トップを争っていた。

争う気は全くなかったけれど。


国語のテスト結果は、クラスで1番だった。

総合点も良かった。


だけど。


私はテストの点数を、友達や隣の席の人と見せ合う事が嫌だった。


正確には、


「頭いいね」


と、言われる事が、苦痛で仕方なかった。


私は頭が良い訳ではない。

ただ、誰よりも勉強している。

その自信があるから、テストの点だって取れる。


言葉のニュアンスの違いだけれど、私は、褒めてもらえるなら「努力」を褒めて欲しかった。

そんな考えだから「真面目」と、言われることも多い。


ふざけたい時に、ふざけ方も分からなくなってしまった。


楽しみ方も、笑い方も、徐々に分からなくなっていった。


気がつけば、また、独りぼっち。


教室の隅で、独りでお弁当を食べていた。



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