君の専属被写体モデル。


専門学校。


美容師になりたいと思って美容専門学校へ入学。


本当に、世界は不公平だ。


私は、夢を叶えたい気持ちと同じくらい、“友達”が欲しかった。


だけど、気がつけば独りだった。


学校のルールとして、お昼ご飯は教室で食べること。

お昼休みの最初にやることは、お弁当を食べることでもなく、購買へ行くことでもない。


「ひとり分の席」を確保すること。


たったひとり分。

されどひとり分。


教室の中に、1つだけ空いている席を探すのに必死で、いつも涙を我慢していた。


私は、自分に負けて、美容師の夢を諦めた。


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