禁断プラトニック~元若頭が惚れたのは女子高生~
「……勝手なことしないでよ! せっかくやりたいことやって死のうと思ってたのに!」
「あ?」
やりたいことやって……死ぬ? 俺は無言で眼鏡を拾って掛け直すと、改めて女子高生の姿をまじまじと眺めた。
緩く巻かれたミルクティー色の長い髪、肌は白いがギャル系の濃いメイク。ワイシャツに、短めのスカート。腰にはカーディガンが巻かれている、
ごく普通の今どきの女子高生で、〝死ぬ〟だなんてセリフはあまりにも不似合いだ。
「責任取ってよ」
ぼうっとする俺の耳に、鋭い声が飛んでくる。顔を上げれば、女子高生が恨めしげに俺を睨んでいた。なんだよ、責任って……。
気まぐれで人助けなんてするもんじゃない。もしかしたら、予想以上に厄介なことに巻き込まれるのではないだろうか。焦った俺はわざとらしく腕時計を一瞥し、そっけなく告げる。
「じゃ、俺は用があるから行く。ちなみに死ぬのはやめておけ。後片づけする方の身にもなってみろ」
そして、くるりと彼女に背を向け歩き出そうとしたのだが。