禁断プラトニック~元若頭が惚れたのは女子高生~
「どこに行くの……?」
「……別に。適当に走らせるから、その間、お前はそのちっせえ胸に溜め込んでる悩みでもなんでも勝手に話せばいい」
「ち、ちっせえって!」
「事実だろうが」
女子高生はむくれて窓の外を睨んだ。俺は構わず車を発進させ、適当に街を走る。
苺や勇海は車の中でも時々勉強をするため、カーオーディオは無音。少々気まずいので、とりあえず大人の俺から話を振ってみる。
「そういやお前、名前は?」
「……市川みり」
「みり。どうりでちっせえわけだ」
鼻で笑うと、みりはあからさまに目を吊り上げて怒った。
「うっさい、しつこい。ってか、アンタも名乗りなさいよ」
「勝又烈」
「ふうん。……烈って呼んでいい?」
「好きにしろ」
俺の仕事は小学生の相手をすることなのだ。もう、呼び捨てだろうがカツレツだろうが、多少のことじゃ腹は立たない。