禁断プラトニック~元若頭が惚れたのは女子高生~
「……他に誰かいないのかよ。相談相手みたいなの」
「だから、それがさっきのオッサンだったの。SNSで知り合って、顔を合わせたのは今日が初めてだった。あの人が〝嫌なこと全部忘れさせてあげられる薬があるよ〟って言うから、ヤバいクスリかもってわかってたけど……なんかもう生きるのに疲れてきてたから、最後にぱぁっと楽しい気分になってから死のうって思ってさ」
みりの話を黙って聞いているうちに渋滞に差し掛かり、車が完全に動かなくなってしまったところで彼女の方を向く。
するとみりも俺を見ていて、瞳を潤ませながら続けた。
「自分が死のうとしてること、親の前でとか、SNS上で、ちょっと匂わせたりしてみたんだけどさ……誰も本気にしないし、止めてもくれなかった。『やめておけ』って言ってくれたの……今日初めて会った、烈だけ……っ」
みりは我慢できなくなったように泣き出し、小さな肩を震わせた。
親も友達も、自分を必要としていない。そう感じて、ひどく孤独なのだろう。
「……好きなだけ泣け。泣く場所すらなかったんだろ、今まで」
俺はそう言って、助手席の前方にあるダッシュボードからティッシュ箱を出すと、彼女の膝の上にのせる。
みりはますます泣き声を大きくし、一度にティッシュを五枚くらい引き抜くと、ぎゅっと顔に押し付けた。