禁断プラトニック~元若頭が惚れたのは女子高生~
「また、連れてきてくれる……? 今度は、烈の〝恋人〟として」
恐る恐る、みりが俺に問いかける。
俺は今まで、恋人だなんてむずがゆい存在を作ったことはなかった。
恋人になりたがる女はいたが、切った張ったの世界に生きる俺には邪魔な存在としか思えず、結局は割り切った体だけの関係に落ち着くことばかりで……初めて心から欲しいと思った相手には、振り向いてもらえなかった。
でも、みりは真剣に、こんな俺の恋人になりたいと思ってくれている。
――今度こそ、間違えたくない。大切な人の扱い方を。
俺はみりのそばまで近づき、そうっと手を伸ばして緩く波打つ髪に触れた。そして、辺りに絶え間なく響く潮騒に紛れてしまわぬように、ハッキリ告げる。
「お前が望むなら、いつでも連れてきてやる。俺はお前の味方だ」
「烈……」
大きく見開かれたみりの瞳が、感極まったように潤みだす。