禁断プラトニック~元若頭が惚れたのは女子高生~

 でも、耐えなくては。高校生の彼女に手を出したなんてことがバレたら、せっかく俺を受け入れてくれた沖田の家族に、苺に、勇海。みんなをがっかりさせることになる。

 ……ほくそ笑むのは、鞍馬尊くらいだろうか。そう思うと、絶対に彼女の卒業まで我慢してやるという意思が逆に固くなった。

 でも、キスはもう少しだけ……。とろけるような感覚に浸りつつ、みりの上唇を優しく甘噛みしたその時だった。ズボンのポケットに入れていたスマホから、着信音が流れだす。

「……なんだよもう」

 忌々しげに呟き、一旦キスを止める。ポケットからスマホを出してみると、表示されているのは【鞍馬勇海】の文字。

 あのガキ、小学生のくせにスマホを持ってやがるんだよな。しかしなぜこんなタイミングで連絡を……。鬱陶しく思いながらも、仕方なく応答した。

「なんだ勇海、今忙しい」
『なんだじゃねーよカツレツ! 三時半、とっくに過ぎてる!』
「え。……あっ、……悪い」

 ……しまった。彼らの迎えのことをすっかり忘れていた。

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