禁断プラトニック~元若頭が惚れたのは女子高生~
『いいよもう、タクシー呼んだ』
タクシーだと? 歩いて帰れよ馬鹿と言いたくなるが、約束をすっぽかしたのは俺なので強くは出られない。
「……悪い。色々あって、今、千葉にいるんだ」
『千葉? ふうん、お土産買ってこいよ!』
「いや、そんな暇は……」
迎えがなくなったのだから別に暇がないわけではない。しかしただ面倒なのでそう返すと、勇海が憎たらしい口調で言う。
『お土産買ってきたら、カツレツが仕事すっぽかしたこと父さんや母さんに黙っててやるよ』
「お前……ガキのくせに交換条件とは生意気な……」
しかし、みりという守るべき存在ができた今、こんなことで仕事を失うことは避けたい。俺は盛大なため息をつき、渋々要求に応じる。
「……わかったよ。あれだ。落花生な」
『えーっ、乾きもんかよ』
不服そうな声が聞こえたが、いい加減面倒になって一方的に通話を終わらせた。疲れた顔でスマホをポケットにしまうと、みりが心配そうに近づいてくる。