禁断プラトニック~元若頭が惚れたのは女子高生~
「私は極めて正気だ」
「そうは思えないね。俺の身元引受人なんかになったことがマスコミにばれたりしたら、アンタ自身の立場だって危うくなるだろう?」
「確かにな。しかし、私は法務省に親しい友人がいてね。極秘できみの身元引受人になることくらい、わけないんだ。だから、私の心配なら無用だ」
「……別に心配したわけじゃねえよ」
俺は気まずくなり、ふいと彼から目をそらした。
まっすぐに俺を見つめる真摯な瞳が、かつて惹かれた彼の娘の面影と重なり、かすかに胸が動揺する。
「じゃ、そろそろ失礼する。その気になったら弁護士を通して連絡してくれ」
「ならねぇよ、その気になんて……」
そっけない態度で彼を見送り、面会は終わった。
しかし俺には沖田孝蔵の考えていることがまったく理解不能で、その日から何度となく彼のことについて考えた。