禁断プラトニック~元若頭が惚れたのは女子高生~
「烈くん、あっちで一緒に遊ぼう? お兄ちゃんと大富豪してもぜんぜん勝てないから、烈くんと私でチームになって、一緒にお兄ちゃんを倒すの!」
「いや、俺は……」
母親によく似た純粋でまっすぐな瞳。その目に見つめられると俺は弱いんだ。……しかし、この俺がガキとトランプなんて……。
「ふん。カツレツ、負けるのが怖えんだろ」
勇海が挑発的に俺を見据え、そう言った。ガキの戯言とわかっていても、ついかちんとくる。
「……あんだとコラ。大富豪っつったら俺は組ン中で最強だったんだぞ」
「組って? 私はねえ、一年一組!」
無邪気に見当違いな発言をする妹を、兄がたしなめる。
「苺は黙ってろ。これは俺とカツレツの勝負だ」
「……いい度胸だ。受けて立ってやるぜ」
そんな流れで、俺は小学生相手に本気で大富豪の対決をすることになってしまった。
鞍馬尊自身には逆立ちしたって勝てないが、その息子になら俺だって……! などという大人げないことを考えていたのは、俺だけの秘密である。