キミだけはずっと傍にいて。

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それから時間はあっという間にすぎ、今日はテスト当日。


わたしはテストが始まる前からすでにガチガチ。

だって、もし一つでも赤点があれば、夏休みは補習があるらしい。


汐音ちゃんは、せっかくの夏休みの半分は補習で潰れるから、絶対に赤点は取らない方がいいって。


勉強の成果が発揮できますように。


わたしは心の中で祈りを唱えた。


カサッ


…え?


目を開けると、ノートか何かの紙切れが机の上に置かれていた。


そこには、“大丈夫、ゆうなならやれば出来るよ”の文字が。


とても繊細で綺麗な見やすい文字。


この文字には見覚えがあった。


もしかしてこれ、冬舞くん…?


そう思い隣をチラッと見ると、クスッと笑いながら唇に人差し指を当てる冬舞くん。
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