キミだけはずっと傍にいて。
もし、冬舞くんや特別寮のみんなとの出会いが偶然だとしても、今はその偶然を大事にしよう。
「二人とも色々教えてくれてありがとねっ。それじゃあわたし、行ってくる。」
「あ、いってらっしゃーい。」
「何か進展があったら、ちゃんと報告しなさよー。」
し、進展って…
そんなのあるわけないのに……
わたしは二人に苦笑いを浮かべてから冬舞くんの元へ急ぐ。
「…何してたの?遅い。」
わたしの姿をとらえるなり、不満そうな顔をする冬舞くん。
「ご、ごめんねっ…。美優ちゃんと汐音ちゃんと少しお話してたの。」
「…ああ。友達の。ならいい。」
わたしが二人の名前を出すと、冬舞くんの表情は幾分和らいだように見えた。