キミだけはずっと傍にいて。

僕はあの出来事以来、人を信用できなくなった。


だからこそ友達なんていらないと思っていた。


そんな頑なだった僕の心を始めに溶かしたのは、柳川。


過去の出来事は話せていないけど、僕の中ではゆうな以外で唯一友達と認めたやつ。


特別寮のメンバーも、他のやつらよりは心を開いているけど、それだけ。


友達、という風には見れない。




…まさか、こんなにゆうなを好きになるなんて。


泣き疲れて眠ってしまったゆうなの頬をそっと撫でる。


本当は特別だと言っても、友達のつもりだったのに、気づけばそんな風には見れなくなっていた。


笑った顔や照れた顔、ゆうなの全てががどうしようもなくかわいくて愛しくて。


この子は天使なんじゃないか、と何度思ったことか。


自分にこんな思考があったなんて寒気がするけど、でもその表現が一番正しい。


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