キミだけはずっと傍にいて。

****


“キーンコーンカーンコーン”


4時限目の終わりを告げるチャイムの音がなる。


その音と同時に先生は教室から出て行き、生徒も一斉に動き出す。


「食堂行こうぜー!」

「疲れた〜。」


授業の静けさから一変、教室はガヤガヤとうるさくなる。


わたしも早く屋上へ行かないと。


あの後、どうするか迷ったけど、一か八か行ってみることにした。


美優ちゃんや汐音ちゃんに勘づかれる前にさっさと行かなきゃ…!


わたしは二人に気づかれる前に小走りで教室から屋上へと向かう。




「…やっぱり絶対怪しいよね、ゆうな。」

「うん。何かを隠してるのバレバレだもん。」




と美優ちゃんと汐音ちゃんがわたしの後ろ姿を見て、こんな会話をしていたことには気づかなかった。


< 172 / 296 >

この作品をシェア

pagetop