キミだけはずっと傍にいて。
ええっと…屋上は……
あ、そうだ、ここの階段を登れば良かったはず…
階段を登り切った先のドアを開けると、そこは思った通り屋上だった。
わあ…風が気持ちいいなぁ…
「…綾瀬さん。来てくれたんだ。」
え…
聞こえてきた声に振り返ると、見たことのない男の子が立っていた。
誰…この人……?
わたしを呼び出したのは、この男の子なの……?
予想外の展開に、言葉が出てこない。
てっきり相手は女の子なんじゃないかと思っていたし、ましてやこの男の子は、同じクラスでもない。
「…わたしを呼び出したのはあなたなの……?」
「…そうだよ。綾瀬さんに伝えたいことがあってね。」
その目は笑っているはずなのに、どこか冷たく感じる。