キミだけはずっと傍にいて。
「南くんは?何か知ってる?」
「……」
…知ってたら苦労しない。
ゆうなは分かりやすいから、すぐ顔に出る。
さっきのゆうなは、今朝のことで何か悩んでいるような表情じゃなかった。
「…その顔は分からないって顔だね。」
「…ねぇ、美優。これ。」
一人の女が指さしているのは、ゆうなのカバンのポケットに無造作に突っ込んである紙切れ。
…今朝はこんな紙なかった。
…もしかして、ゆうなの様子が変だったのはこの紙のせい…?
二人の女たちは顔を見合わせると、ゆうなのカバンから勝手に紙を取り出した。
「…っ!これって……!」
「間違い、ないね……」
目を見開き、あきらかに驚いた表情の二人。
それから、僕の方に視線を送ってくる。