キミだけはずっと傍にいて。
「この紙、南くんにあげる。どうするかは南くんの自由だけど、わたしたちはゆうなの元に行ってあげてほしいと思う。」
「そうだね、きっとゆうな、この紙に書いてあることが何を指すのか分かってないと思うから。相手もどんな男か分からないから、わたしたちも心配だし。」
男……?
僕は嫌な予感がして、女から受け取った紙にさっと目を通す。
瞬時に分かった。
この紙を書いたやつはゆうなに告白する気で呼び出したのだと。
そのことに気づいた時、僕は教室を飛び出して屋上へと向かっていた。
僕の朝の不安は、早くも現実となった。
あの女たちの言う通り、鈍感なゆうなは、自分が告白の呼び出しを受けたことに絶対と言っていいほど気づいていないだろう。