キミだけはずっと傍にいて。

「…ありがとう、冬舞くん……」


すごく…すごく怖かった。


男の子の手がわたしに向かって伸びてきた時、もうすでに泣きそうだった。


だけど、冬舞くんの温もりに包まれた瞬間。


恐怖とは真逆の感情に包まれた。


暖かくて優しくて……そして何より、安心する。


「……ゆうな、ごめんね。」


ポツリと呟かれた冬舞くんの小さな声。


なんで…なんで助けにきてくれた冬舞くんが謝るの……?


むしろ、わたしが謝らないと。


冬舞くんの気持ちも考えずに色々言ってしまったし、さっきはすごく心配させてしまった。


屋上に来てくれた冬舞くんは、わずかに息切れていた。


「……ううん。わたしね、冬舞くんが来てくれてすごく安心したの。冬舞くんはわたしのヒーローだよ。」
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