キミだけはずっと傍にいて。
♯ 第1話

「そこ、僕の席だって言ってるんだけど。」


*ゆうなside*


「え!?転校!?」


進級してクラス替えがあり、新しいクラスにも慣れてきた6月の上旬………





いきなりのお父さんからのカミングアウトに、わたしは思わず声を上げた。


「ちょっと、どういうこと…!?わたしにも分かるようにちゃんと説明して!」


だって、娘の意志も確かめずに転校する、なんて大切なこと普通決める……?




「ごめんな。ゆうなには悪いと思ってる。だけど、父さんがアメリカに出張が決まってね。一年は帰れないんだ。」


「うそ…」


呆然とするわたしに、お父さんは申し訳なさそうに微笑む。


「いつ帰れるかも分からないし、海外なんて初めてだから、ちゃんと生活出来るか不安でな。そんな時にお母さんが一緒に来てくれることになったんだ。」
< 2 / 296 >

この作品をシェア

pagetop