キミだけはずっと傍にいて。
♯ 第1話
「そこ、僕の席だって言ってるんだけど。」
*ゆうなside*
「え!?転校!?」
進級してクラス替えがあり、新しいクラスにも慣れてきた6月の上旬………
いきなりのお父さんからのカミングアウトに、わたしは思わず声を上げた。
「ちょっと、どういうこと…!?わたしにも分かるようにちゃんと説明して!」
だって、娘の意志も確かめずに転校する、なんて大切なこと普通決める……?
「ごめんな。ゆうなには悪いと思ってる。だけど、父さんがアメリカに出張が決まってね。一年は帰れないんだ。」
「うそ…」
呆然とするわたしに、お父さんは申し訳なさそうに微笑む。
「いつ帰れるかも分からないし、海外なんて初めてだから、ちゃんと生活出来るか不安でな。そんな時にお母さんが一緒に来てくれることになったんだ。」