キミだけはずっと傍にいて。

今の俺がいるのもあの二人のおかげ。




「……これが俺とゆうなの過去。」


話し終えた後のリビングは、シーンと静まり返った。


あきらかにみんな驚いているなか、冬舞だけはじっと俺を見つめていた。


冬舞にはゆうなの事故のこととか、記憶を失ったこととかは話してたからな。




「……柳川。……ありがとう。」


えっ……


お礼を言った冬舞に思わず拍子抜けする。


「…話してくれてありがとう。」


そう言う冬舞の顔には、わずかに微笑んでいるように見えた。


「なんで……」


「…柳川さ。ゆうなを見てたまに切なそうな顔をすることあるんだ。…ほんとに一瞬だけどね。だから、自分と同じ人を想う僕を応援してくれたあの時。柳川には友達として幸せになってもらいたい。…そう思ったんだ。」
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