キミだけはずっと傍にいて。

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「うわー、結構遅れちゃった…!」


思ったよりも洗い物に時間がかかってしまった。


ど、どうしよう…


今日は朝のHRの前に、柳川くんが校舎案内をしてくれることになっていた。


それなのに、約束の時間をもう三分くらい過ぎてしまっている。


晴希さんに代わってもらえばよかったのかな…?


…いや、でも洗い物はわたしの仕事なんだから。


いくら晴希さんが優しいからとはいえ、そこまでやってもらう義理はないよね。


それよりも、とりあえず急がなくちゃっ…!


昨日、校舎から特別寮へ来た道を反対方向に早歩きをしながら急ぐ。


校舎へと近づくにつれ、なんだか少し騒がしい空気へと変化していく。


まだ少し早めの時間帯だから、それほど人は多くないけれど、生徒がちらほらといる。
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