キミだけはずっと傍にいて。

その時、一番近くにいた女子二人の会話が飛びこんできた。


「ねえ、あれ見て…!南くんがいるよ…!」

「ほんとだ…!この時間に見かけたことないのにっ……!なんで……!?」


…え?


南くんって特別寮の南くん……?


わたしが辺りを見渡すと、校舎の入り口のそばに、不機嫌そうな顔で立っている南くんと目が合った。


わたしと目が合うなり、表情を変えることなく平然とこちらの方へと歩み寄ってくる。


「えっ……!!どうしよう……!南くんがこっちに来てるよ……!!」

「お、落ち着いて……!し、深呼吸……!」


……??


わたしは、二人の女子の反応がよく分からなくて、頭の中にはてなマークが浮かぶ。


「……遅い。早く行くよ。」

「…え?わ、わたし?」


た、確かにさっき目が合ったけど、南くんが自らわたしに話しかけてくるなんて……何かあったのかな?
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