キミだけはずっと傍にいて。

「……俺も、晴希さんと同意見。冬舞に寄り添えるのはゆうなしかいないよ。だから、俺からもお願いするよ、冬舞のこと。」


「…うん、もちろん。わたし、ちゃんと冬舞くんと向かい合うよ。ひーくんと向き合ったみたいに。」


ひーくんの言葉に真剣に頷き返す。


「…ありがとう。わたし、行ってくるっ。これからは昔みたいにもっと話そうね!」


最初は直視できなかったひーくんの顔を、ちゃんと見られるようになった。


そして、自分自身の心も、明るくなったように感じた。




「……冬舞のこと、頼んだよ、ゆうな……。ゆうなには冬舞しかいないけど、冬舞にもゆうなしかいないから……。ありがとう…今までもこれからも、大好きだよっ……ゆうなっ………」


部屋に残されたひーくんの呟きを、わたしが拾うことはなかった……───


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