キミだけはずっと傍にいて。
♯ 第15話
「…ゆうなは僕から離れていかないよね?」
*ゆうなside*
ひーくんの部屋を出て、わたしはそのまま冬舞くんの部屋へ向かう。
トントン
「冬舞くん、ゆうなです。いますか…?」
お願い…いるなら返事して、冬舞くん。
すると、部屋の中からわずかな物音が聞こえて、ガチャッとドアが開いた。
「……ゆ…ぅ……な……」
「…っ!冬舞くん!!」
そこにはすっかり弱りきった冬舞くんがいた。
おでこに手を当てるけど、特に異常はない。
風邪を引いているわけではないみたい。
…じゃあやっぱり、こうなってるのは、冬舞くんが抱えている過去と関係している……?
わたしはとりあえず冬舞くんが部屋の中に入った。
すると、さかさず冬舞くんがギュッと抱きついてくる。