キミだけはずっと傍にいて。

*冬舞side*


もう一度、ゆうなをギュッと抱きしめてから、僕は話し始めた。




僕の今の両親は……本当の親じゃない。


僕が小学校に入る前に両親が離婚し、どちらも引き取りたくないと言い、僕は施設に入ることが決まった。


きっと、普通の子どもだったら親と離れたくないと言って、泣くのが普通なんだと思う。


でも、この時の僕は、悲しいとかそんなこと、感じなかった。


本当の両親は、僕が小さい頃から喧嘩ばかりしていた。


「お前、また男と会っていたんだろう!?」


「はあ!?そういうあなただってまたキャバクラ行ってたんでしょう!?調べはついてるのよ!!」


父と母が仲良くしているのは、ほとんどと言っていいほど見たことがなかった。


いや、あんな人達、親とすら呼びたくない。
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