キミだけはずっと傍にいて。

最初優しかったのは、きっと、自分に逆らえないようにしておきたかったから。


母がなぜこんなことをするのかは分からない。


だけど、母は“モデル”相当執着しているみたいだから、昔、なにかあったのかもしれない。


それでも、どんな理由があれ、僕は母に肩入れするつもりはない。


本当の親には、ほとんど放置のあげくに捨てられ、二度目の親は、操り人形のように操られている。


もううんざりだった。


でも僕は、母に逆らう気力すらなかった。





……それにも、ちゃんと理由がある。


転校先の小学校。


前のように、仲の良い友達がなかなかできなかった。


前の学校は、普通の公立の小学校だし、僕の住んでいた施設から通う子、母子家庭の子など、様々な事情を抱えた子もたくさんいた。
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