キミだけはずっと傍にいて。
だから、これ以上付き纏われるのも面倒で、ある日、友達になろうぜ、と20回目くらいの誘いで、オッケーしてしまったんだ。
……この選択を、後で死ぬほど後悔するとは知らずに。
「冬舞〜!一緒に帰ろうぜ!」
今日もうるさいこいつの名前は、水森 拓哉 (みずもり たくや)。
他のやつらは、女子も男子も見ているのは上部だけだが、こいつだけは違うと思う。
ちゃんと僕の内面まで見てくれる。
それは、こいつと友達になって話す回数が増えたことで、実感したことだった。
だから、こいつにだけは自分の素直な気持ちを言うことができた。
「たとえどんな顔でも、どんな性格してても冬舞は冬舞だろ?」
拓哉は、いつも僕にこんな風に言ってくれたし、他の友達に何を言われても、僕から離れていかなかった。