キミだけはずっと傍にいて。

「ま、待って……!」

わたしは慌てて南くんを追いかけた。


…昨日から思ってたけど、南くんってほんとに掴みどころがないな…


うーん…なんていうか…悪い人ではないと思うんだけど、少し分かりにくいよね。


表情もあんまり変わらないし、口数も少ないから。


わたしは、無言のまま校舎を歩き出す南くんの後を、何も言わずについていく。


想像はしていたけど、案の定南くんは、何も言わずに校舎を見て歩くだけで、ここがどこだとか説明してくれるわけではない。


本当にただ見て回るだけ。


それに、歩くスピードが早いっ…!


わたしは南くんに追いつくのが精一杯で、ゆっくりどこがどこだとか確認している暇がない。


はあ…はあ……

つ、疲れたっ……
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