キミだけはずっと傍にいて。

この出来事を境に、僕は“人間”という生き物が大嫌いを通り越して、嫌悪するようになった。


そして、心に決めた。


もう絶対友達を作らないし、誰も信じないって。




それからの僕は、思うように食事が取れなくなった。


次第に拒食症になり、当然、モデルの仕事も務まらなくなった。


母は、最初こそモデルの仕事ができなくなった僕を叱り、無理にでも続けさせようとしたけど、それが無理だと分かると、手のひらを返したように、僕への関心がなくなった。


モデルを辞めた僕は、学校にも行かなくなった。


いや、行けなくなった。


食事を取れない僕が、普通の生活を送れるわけがなかった。


倒れたんだ。

学校へ行く途中に。


幸いにも、通りかかった人が親切に通報してくれて、特に大事には至らずに済んだ。
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