キミだけはずっと傍にいて。
♯ 第16話
「キミだけはずっと傍にいて。」
*ゆうなside*
わたしは冬舞くんを抱きしめたまま、じっと冬舞くんの話を聞いていた。
冬舞くんの声は少し震えていたけど、それでも一つずつ丁寧に自分の過去を教えてくれた。
聞き終わった時、なんと言葉をかけたらいいのか分からなかった。
“辛かったね”
とかそんな同情の言葉をかけるのは失礼だし、そうは言っても、わたしの今の気持ちを正確に伝える言葉が見つからなくて。
結局わたしは、何も言わずにギュッと冬舞くんを抱きしめた。
「え…ゆ、ゆうな……?」
「……ごめんね。なんて言ったらいいのか分からなくて。でも、わたしは冬舞くんの傍を離れないよっていう意味でギュッとしたの…」
…ほんとわたしって語彙力ないよね。
そこのところは自分でも反省してる。