キミだけはずっと傍にいて。

「…あんた、さっきから息が上がってるけど、どうかしたの?」


疲れ切った顔をしているわたしを怪訝そうに見てくる南くん。


ど、どうしたのって……


それは南くんの歩くスピードが早いからでっ……


だけど、わたしが答えるより先に、誰かの声が聞こえてきた。


「もう〜、冬舞は分かってないなー。歩くスピードが早いんだよ。」

「柳川くん…!」


その誰かというのは柳川くんだった。


「ゆうなちゃんごめんね、約束してたのに。今朝突然先生に呼び出されちゃって行けなくなっちゃってさ。」


「ううん、大丈夫だよ。それに、先生からの呼び出しならしょうがないよ。」


申し訳なさそうにしている柳川くんに、わたしは首を振って笑顔を見せる。


「…そっか。ありがとな。でも、またなんか分かんないことがあったら俺に言って。いつでも教えるから。」
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