キミだけはずっと傍にいて。

「…なに、ゆうな、僕がモデルするの、寂しいの?」


「いや…あの……」


そんなことないって言いたいところだけど、多分今さらごまかすのは無理だ。


…しょうがない。


話すしかないけど……できれば話したくなかった。


だって冬舞くんがモデルになったら、少し遠い人になったみたいで寂しいなんて、こんなわがままで自分勝手な理由。


冬舞くんを困らせるだけだ。




「…あ、のね…もし冬舞くんがモデルになったらね、冬舞くんが少し遠い人になるような気がして寂しいなぁって。ちょっとそんな風に思っただけなの…。ごめんね、ほんとはこんなこと言いたくなかった……」


もしそれで冬舞くんがわたしに気を使って、モデルになるのをやめる、とか言い出したら、わたし、自分を許せなくなる。
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