キミだけはずっと傍にいて。

「むぅ〜。それならしょうがないか。ゆうな、転校してきたばっかりでいろいろあるもんね。」


残念そうにしながら食堂に行く二人を見送ると、わたしはなんとなく校舎の外を散歩することにした。


敷地内を旧校舎がある方へ向かって歩いてみる。


旧校舎の近くに行ってみると、裏手に緑の空間があるのが見えた。


もしかして裏庭があるのかな……?


わたしは吸い寄せられるようにそっちの方へ行ってみる。


すると、その空間の一角にあるベンチに人影が見えた。


「……誰だ。」


低い声が聞こえてきて肩がビクッと震える。


「南くん……?」

「……なんだ、あんたか。」


わたしの姿を見てほんの少し表情が和らいだ南くん。


「…まさか、僕を追いかけてきた、とか言わないよね?」


疑いの目を向ける南くんに慌てて否定する。
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